2002/05/10

住宅供給公社解散…国交省検討

      
国土交通省は9日、
地方の住宅供給公社制度を抜本的に見直す方針を明らかにした。
住宅供給公社の多くは、
地方自治体の財政難や保有不動産の含み損の拡大を背景に、

事業の継続が困難になっている。
だが、地方住宅供給公社法があるため、
自治体の判断で解散や廃止ができず、
赤字額が膨らみ続けているのが実態だ。
このため、国交省は法改正も含めて対策を検討、
国民に安価な住宅を供給するという役目を終えた公社の整理を進め、
2005年度に廃止する住宅金融公庫と合わせて、
公的住宅制度を大幅に転換する考えだ。

住宅供給公社は1965年、
良質の住宅供給を目的に
自治体の全額出資で47都道府県と政令市の横浜市などで57公社が発足、
これまでに全国で約80万戸の住宅を建設した。

民間企業による住宅の供給が進む一方、
バブル崩壊後は先行して取得した不動産の含み損が拡大し、
事業継続が困難に陥る公社が続出した。
青森県では経理担当者が14億円を横領した事件も起き、
公社特有の採算を度外視した事業や、
ずさんな会計処理、監査が問題化している。

このため、福島県が4月に
全国で初めて住宅供給公社を廃止する方針を打ち出したのを始め、
北海道が新規事業を原則中止し、
職員の大幅削減に乗り出した。
神奈川県などでも、民業圧迫を理由に業務の見直しを進めている。

こうした現状を受け、国交省は、
住宅供給公社が住宅行政に果たす役割について、
各自治体や公社から意見を聴取し、
今後の組織運営や会計、経理のあり方などを検討する。
地方住宅供給公社法は、
公社の解散事由を「破産、または認可の取り消し」しか認めていないため、
早期に自治体独自の判断で解散できるよう法改正する方向で
今秋にも報告書をまとめる。

ただ、公社の巨額債務を自治体が損失保証しているケースが多く、
公社の廃止は地方財政を直撃する恐れもある。